室長挨拶

経済のグローバル化やソサエティ5.0の実現への動き、慢性化する日本の人口減少、COVIDー19経験後の社会・生活様式の一変、さらにはAIの急速な浸透など私たちを取り巻く情勢は大きく変化しており、それらに迅速かつ的確な対応を迫られる状況となっております。産業界はいち早くこのグローバル化の動きに対応し、急速に博士人材の活用推進を展開し、また国も博士人材育成に本腰を入れ始め、博士学生が安心して研究に取り組める大学環境が展開されつつあります。人材を送り出す側の大学の意識改革にはまだまだ改善の余地はありますが、今まで私たちが経験したことのない大きな変化を乗り切るためにも、高度な知識と技術を持った優秀な博士人材を多く育成し、社会での活躍を後押しすることは現在の大学の抱える喫緊の課題であり、責務でもあると考えます。

新潟大学では特に博士人材が社会で活躍できるよう、そのキャリア開発を支援する目的で、令和2年度より経営戦略本部の中にPhDリクルート室を立ち上げ、博士学生のキャリア支援メニューを独自に展開してきました。その中で国の支援により令和3年度に大学フェローシップ創設事業、続いて次世代研究者挑戦的研究プログラムに採択され、本学では現在89名の博士学生が生活費・研究費の支援を受けており、当室を中心にさまざまなキャリアパス支援の体制を強化しています。令和4年度には組織改定があり、経営戦略本部から新設の大学院教育支援機構に発展的に移設され、全学的に博士課程学生支援及び大学院機能強化を一体的に取り組む体制を整えました。

意欲あふれる優秀な学部学生の大学院進学を増やし、修士・博士前期課程学生(MC)を博士・博士後期課程(DC)に進学させるため、当室ではDCや博士研究員(PD)を対象とした産業界へのキャリア形成を支援するプログラムを推進し、DCの魅力とその意義を伝える施策の実施や産業界から博士学生への期待と要望の伝達を推進しています。また、博士人材育成コンソーシアムとの連携をさらに促進し、協働して成果を上げていきます。

もちろん博士を目指す修士・博士前期課程(MC)学生、学部学生の皆さんにも役立つプログラムを提供してまいります。是非これらを活用し、将来のキャリア形成にお役立てください。

大学院教育支援機構
PhDリクルート室長(副学長/自然科学系教授)
本田明治